競輪の基礎知識 入門編

目次

競輪の基礎知識

競輪場で行われる自転車レース。レースは9名もしくは7名で競います。そのレースの着順を予想してお金を賭けます。詳しくはさぁ~購入だのページにて。1レース100円から賭けられます。予想が当たればお金を賭けた分、払戻金としてお金を得ます。過去払戻金としての最高額は約480万円。100円賭けて480万円戻ってくると言う事です。恐ろしい!

なぜ競輪の予想がしやすいのか

そもそも競輪ってチーム戦。1人1人が独立してレースをするのではなく、その近隣地域〈地区〉の選手同士がチームを組み〈ラインと言います〉、お互いの特性を生かしてレースに挑みます。だからレース前に選手がどのように並ぶかが分かってしまうんだよね。分かり易く言うと9車レースではオーソドックスな場合3人対3人対3人のライン3分線で戦います。最終周回のゴール前4コーナーを過ぎれば、お役御免で各選手はライン関係なくより高い賞金を目指して必死でゴールを目指します。

出走表の見方

  • 枠番・・・車券購入時、枠で購入するための番号振り。購入方法にて詳しく解説します。
  • 車番・・・読んで字のごとく、出走する選手の番号振り。
  • 期別・・・競輪学校の卒業期
  • 級班・・・現在のランク。大きく分けるとS級とA級に分かれており、そのS級の中でも上からS級S班  S級1班 S級2班 S級3班 A級1班 A級2班 A級3班と7階級にランク付けされている。
  • 脚質・・・⌈逃⌋とは先行捲りを主体に自力で動ける選手。その選手が軸となりラインが形成される。ラインを引っ張る機関車役。⌈追⌋とは、基本的には自力では動かずに、逃げの選手の後ろについてラインを形成する。基本的に競走得点が高い選手が自力選手の2番手につけられます。
  • ギヤ倍数・・・大きいギヤの歯車の数÷小さいギヤの歯車の数で計算される。例えば大きいほうのギヤが51で小さいほうのギヤが13だとすると、ギヤ倍数は51÷13で3.92となる。この数が大きければ大きいほど初動は重いが、漕ぎ切ればスピードも格段に上がる。ただし男子の上限は⌈4.0⌋女子の上限は⌈3.8⌋と決められている。1発勝負を賭ける時はギヤ倍数を上げる選手がいます。ちなみにスポコンおやじの時代は3.57が主流でした。
  • 競走得点・・・直近4ヶ月の平均の出走得点です。この得点が高い選手ほど強い選手、調子がいい選手だと言う事です。そのままです。
  • S・・・号砲と同時にスタートして、一番早く先頭誘導員の後ろに付いた回数です。Sが多い選手のラインは前受けが多いラインだと推測できます。
  • B・・・レースの最終周のバックストレッチを先頭で通過した回数です。Bが多い選手は⌈逃⌋の自力の選手の中でもとりわけ先行する回数が多いことを意味しています。
  • 逃・・・直近4ヶ月のレースにおいて先行して2着までに残った回数。
  • 捲・・・直近4ヶ月のレースにおいて、捲りで2着までに残った回数。
  • 追・・・直近4ヶ月のレースにおいて、最後の直線で追込んで2着までに残った回数。
  • マ・・・直近4ヶ月のレースにおいて、前の選手を抜けずに、もしくはなだれ込みで2着になった回数
  • 1着 2着 3着 着外・・・直近4ヶ月のレースにおいて、それぞれの着順の回数。着外は4着以降の数。レースのグレードもあるから、単に1着が少ないから、着外が多いから弱い選手だと言う事ではない。直近のレースのグレードも見る癖をつけましょう。
  • 勝率・・・直近4ヶ月のレースにおいて、1着数をレース数で割った割合。
  • 2連対率・・・直近4カ月のレースにおいて、2着までに入った数をレース数で割った割合。
  • 3連対率・・・直近4カ月のレースにおいて、3着までに入った数をレース数で割った割合。
    ※前記しましたが、レースのグレードがあるので、勝率が悪いからと言ってイコール弱い選手だとは限りません。例を見ると6番車の石毛選手より7番車の中根選手の方が、いずれの率も下回ってるのにもかかわらず、競走点数が石毛選手よりも高いと言う事です。

ラインはどのように決まるのか

先ほどは地区同士でのチーム戦で3対3対3でレースに挑むと説明しました。まずはそのチームを組む地区について説明します。競輪では全国で8地区にて選別されております。

北日本・・・北海道 青森 秋田 岩手 山形 宮城 福島
関東・・・新潟 長野 山梨 栃木 群馬 茨城 埼玉 東京
南関東〈南関〉・・・千葉 神奈川 静岡
中部・・・富山 石川 岐阜 愛知 三重
近畿・・・福井 滋賀 京都 大阪 奈良 和歌山 兵庫
中国・・・岡山 広島 山口 鳥取 島根
四国・・・香川 徳島 愛媛 高知
九州・・・福岡 佐賀 大分 長崎 熊本 宮崎 鹿児島 沖縄


実際のライン構成の例です。カギは脚質と点数、あと府県に注目です。


ラインはどのように決まるのか その²

地区別でラインが形成されるのはお分かりになったと思います。その地区別のライン3人の構成を説明します。3人のラインの一番前を走る選手は自力の選手です。読んで字のごとく、自分で動ける選手、要するに先行、捲りを打てる選手です。その自力の選手を先頭に、自力で動かずに差し 追い込みを得意とする選手が2番手、3番手を固めて1つのラインが形成されます。
それじゃあ、自力の選手が花形で2番手3番手の選手はただのコバンザメじゃん・・・って意見もありますが、全然そんなことはありません。自力の選手が後手を踏んでしまっても、余程の事がない限りは2番手3番手の選手は切り換えません。よって最悪7番手は確保されます。またラインが先行した場合、他のラインが捲ってくると、ラインの差し追い込みの選手は捲りの邪魔〈ブロック〉をしたりと、自分の脚の特性を生かしてお互い助け合いながらゴールを目指します。当然差し追い込み型の選手の方が自力の選手に比べて落車の危険があります。


 今レースは中国四国ライン3番車の山岡選手が先行しました。最終バックストレッチ手前から南関東・関東ライン8番車の今川選手が捲り上げるも不発。その上を7番手から5番車微笑選手が捲り上げる様子です。それを中国四国ライン2番手の4番車山田選手が邪魔〈ブロック〉をしてる様子です。2番車殿間選手は内側を警戒してしめています。理由として4番車と同じように外に車を外すと、内側がガラ空きになり、そこの空間を他の選手が狙い突っ込んでくる要素を与えてしまうからです。
 5番車の微笑選手の捲る勢いが凄すぎて、1番車岩鬼選手が千切れ〈離れ〉てしまう様子です。よくあるあるパターンです。と言うのも、捲り上げるタイミングで上りのカント〈1センター〉を乗り越えなければなりません。これが追い込み選手にとってきついんです。1センターを乗り越えれば2コーナーへの下りのカントが利用できるんで、車体に勢いがつきます。このような展開となれば、9番車里中選手や7番車中根選手は、内側を狙い着を拾いに行くしかありません。ただしこの展開でこの時点で上記2選手は一番脚〈体力〉を使ってません。かなり脚力を温存してます。内側さえ空けば、2センターあたりから劇的に伸びる可能性があります。

ライン通りにはならないケースも

勝ち上がり方式なので、必ずしもきちっとしたライン形成されるはずもありません。同じ地区同士の選手が6名そろったり、はたまた同じ地区の選手がいなかったり〈単騎〉
同じ地区の選手が固まったレースにおいては、自力で動ける選手が複数いる場合は、自力選手主体に分かれるケースがあります。要するに同じ地区でもラインが2つ3つできる場合があると言う事です。自力の選手が1人しかいない場合は、他の地区の3番手におさまったり、他の地区の自力選手が単騎の場合、その選手の番手につく場合もあります。また近畿地区と中部地区が近い土地柄でラインを形成したり、中国四国ラインを形成したり・・・。雪国で冬場は練習場所を他県に移動する選手もおります。そこで仲良くなった練習仲間とラインを組んだり・・・ケースバイケースで即興でラインが作られます。そこは事前に情報が入ってくるんで、難しく考える必要はないと思います。

上記出走表を参考に、下記の並びとなります。7番の中根選手は地区としては関東ですが、関東は中根選手以外いません。地区としてライン形成できないため、地域的により近い南関東ラインの3番手に付く選択肢もございましたが、ここは勝負をかけて一番強い微笑選手の番手に挑むことにした例です。中部ラインに割って入るケースです。

競輪レースについて

現行の競輪場にはざっくりと1週500mの走路(以下バンク)、400mバンク、333mバンク、250mバンクの4種類があり、多くの競輪場が採用されている競走路は400mバンクです。そのバンクを約2000mで競います。(タイトルレースだとその限りではありません)250mバンクなら8周。333mバンクなら6周、500mバンクなら4周、400mバンクなら5周で争われます。
かといって、いきなりスタートから一斉にダッシュをして、誰が一番にゴールをするか?と言う様なレースではございません。スタート後、先頭誘導員の後ろに選手が1列に並び、体制を整えます。赤板あたりから先頭誘導員が退避して、各選手が動きを見せます。レースによりますが、残り1週半前後から各選手は全力で走行し、1着ゴールを目指します。

レースの流れ
〈実際のレースはもっと複雑です。わかり易くのレース展開です〉

  • 選手は発送機につく
  • 号砲とともにスタート〈と言っても、一斉にスタートしない ラインの先頭に立つ選手の戦術により、どの位置につけるかが重要なために牽制をする〉
  • 先頭誘導員の後ろに選手が1列棒状で並び周回を重ねる〈この時の車輪の音が凄く心地いいんだよね〉
  • 赤板前より各ラインの先頭に立つ選手が、ラインの2番手3番手の選手を引き連れて動きを見せる〈ただ、赤板以前に先頭誘導員を追い越してしまうと失格になります〉
  • ジャン前あたりから各ラインの先頭に立つ選手がレース組み立てのために、有利な位置を確保する為に動きを活発化させる
  • ジャン過ぎから最終周回のホームストレッチにかけて1列棒状になる。各選手は全力疾走モードです〈観てる側からすると、ここからが迫力ある自転車レースの始まりです〉
  • 1センターから2コーナーにかけて、先手ラインに他のラインが捲り合戦を繰り広げる
  • 2センターから4コーナーにかけて、捲り合戦もしくは先行争いに勝ったラインが先頭に立つ
  • 4コーナー手前よりライン関係なく、お役御免で各選手が1着を目指し最後の力を振り絞り自転車をこぐ〈必死で自転車をこぐことを⌈もがく⌋と言います〉

競輪場について

現在(2023年現在)全国各地に43ヵ所競輪場が存在する。走路の長さも1周250mと短い走路から333,3m、335m、400m、500mと5種類あります。一番スタンダードな走路は400m走路(以下バンク)で、短くなるにつれて先行選手が有利だと言われております。スポコンおやじが現役の頃は250mバンクなんか無かったから、何年か競輪から遠ざかってたものだから知らなかったよ。かえって展開が早いのだろうね。


♦30mライン…ゴール前30m手前に引かれたライン。最終周回まさにゴール手前30mラインに達した後に落車転倒した場合、自転車を携行して(担いでもOK)ゴールしてもゴールが認められる基準線。やたらにこの30mラインからゴールラインまで落車の後でバンクが傷ついてます。
♦25mライン…スタート直後、25mラインまでに達する前に落車転倒があった場合、スタートやり直しになります。
♦上がりタイム…最終周回バックストレッチラインからホームストレッチラインまでかかった秒数を言います。平均時速60キロであれば、400mバンクで上がりタイムが12秒ジャストとなります。
♦イエローライン…基本的にイエローラインの内側を走行することが義務付けられている。先頭を走行している選手がイエローラインの外側を2秒以上走行すると、先頭選手のみ失格となるみたいです。確かにイエローラインの外側を走行するって危険極まりないよね。観客席とバンクを仕切る金網に突っ込む選手もよく見ました。軽傷ではないよね。
♦内圏線と外帯線…この線が結構微妙で、スポコンおやじも現役時代⌈内圏線踏切り⌋で失格となったことがあります。内圏線と外帯線の中を走行している選手を内圏線の内側から追い抜く事は失格となります。また自ら内圏線の内側(退避路)を6秒(最終バックストレッチラインまで)もしくは4秒以上(最終バックストレッチライン以降ゴールまで)走行すると失格となります。

競輪の基礎知識

競輪場で行われる自転車レース。レースは9名もしくは7名で競います。そのレースの着順を予想してお金を賭けます。詳しくはさぁ~購入だのページにて。1レース100円から賭けられます。予想が当たればお金を賭けた分、払戻金としてお金を得ます。過去払戻金としての最高額は約480万円。100円賭けて480万円戻ってくると言う事です。恐ろしい!

なぜ競輪の予想がしやすいのか

そもそも競輪ってチーム戦。1人1人が独立してレースをするのではなく、その近隣地域〈地区〉の選手同士がチームを組み〈ラインと言います〉、お互いの特性を生かしてレースに挑みます。だからレース前に選手がどのように並ぶかが分かってしまうんだよね。分かり易く言うと9車レースではオーソドックスな場合3人対3人対3人のライン3分線で戦います。最終周回のゴール前4コーナーを過ぎれば、お役御免で各選手はライン関係なくより高い賞金を目指して必死でゴールを目指します。

出走表の見方

  • 枠番・・・車券購入時、枠で購入するための番号振り。購入方法にて詳しく解説します。
  • 車番・・・読んで字のごとく、出走する選手の番号振り。
  • 期別・・・競輪学校の卒業期
  • 級班・・・現在のランク。大きく分けるとS級とA級に分かれており、そのS級の中でも上からS級S班  S級1班 S級2班 S級3班 A級1班 A級2班 A級3班と7階級にランク付けされている。
  • 脚質・・・⌈逃⌋とは先行捲りを主体に自力で動ける選手。その選手が軸となりラインが形成される。ラインを引っ張る機関車役。⌈追⌋とは、基本的には自力では動かずに、逃げの選手の後ろについてラインを形成する。基本的に競走得点が高い選手が自力選手の2番手につけられます。
  • ギヤ倍数・・・大きいギヤの歯車の数÷小さいギヤの歯車の数で計算される。例えば大きいほうのギヤが51で小さいほうのギヤが13だとすると、ギヤ倍数は51÷13で3.92となる。この数が大きければ大きいほど初動は重いが、漕ぎ切ればスピードも格段に上がる。ただし男子の上限は⌈4.0⌋女子の上限は⌈3.8⌋と決められている。1発勝負を賭ける時はギヤ倍数を上げる選手がいます。ちなみにスポコンおやじの時代は3.57が主流でした。
  • 競走得点・・・直近4ヶ月の平均の出走得点です。この得点が高い選手ほど強い選手、調子がいい選手だと言う事です。そのままです。
  • S・・・号砲と同時にスタートして、一番早く先頭誘導員の後ろに付いた回数です。Sが多い選手のラインは前受けが多いラインだと推測できます。
  • B・・・レースの最終周のバックストレッチを先頭で通過した回数です。Bが多い選手は⌈逃⌋の自力の選手の中でもとりわけ先行する回数が多いことを意味しています。
  • 逃・・・直近4ヶ月のレースにおいて先行して2着までに残った回数。
  • 捲・・・直近4ヶ月のレースにおいて、捲りで2着までに残った回数。
  • 追・・・直近4ヶ月のレースにおいて、最後の直線で追込んで2着までに残った回数。
  • マ・・・直近4ヶ月のレースにおいて、前の選手を抜けずに、もしくはなだれ込みで2着になった回数
  • 1着 2着 3着 着外・・・直近4ヶ月のレースにおいて、それぞれの着順の回数。着外は4着以降の数。レースのグレードもあるから、単に1着が少ないから、着外が多いから弱い選手だと言う事ではない。直近のレースのグレードも見る癖をつけましょう。
  • 勝率・・・直近4ヶ月のレースにおいて、1着数をレース数で割った割合。
  • 2連対率・・・直近4カ月のレースにおいて、2着までに入った数をレース数で割った割合。
  • 3連対率・・・直近4カ月のレースにおいて、3着までに入った数をレース数で割った割合。
    ※前記しましたが、レースのグレードがあるので、勝率が悪いからと言ってイコール弱い選手だとは限りません。例を見ると6番車の石毛選手より7番車の中根選手の方が、いずれの率も下回ってるのにもかかわらず、競走点数が石毛選手よりも高いと言う事です。

ラインはどのように決まるのか

先ほどは地区同士でのチーム戦で3対3対3でレースに挑むと説明しました。まずはそのチームを組む地区について説明します。競輪では全国で8地区にて選別されております。

北日本・・・北海道 青森 秋田 岩手 山形 宮城 福島
関東・・・新潟 長野 山梨 栃木 群馬 茨城 埼玉 東京
南関東〈南関〉・・・千葉 神奈川 静岡
中部・・・富山 石川 岐阜 愛知 三重
近畿・・・福井 滋賀 京都 大阪 奈良 和歌山 兵庫
中国・・・岡山 広島 山口 鳥取 島根
四国・・・香川 徳島 愛媛 高知
九州・・・福岡 佐賀 大分 長崎 熊本 宮崎 鹿児島 沖縄


実際のライン構成の例です。カギは脚質と点数、あと府県に注目です。


ラインはどのように決まるのか その²

地区別でラインが形成されるのはお分かりになったと思います。その地区別のライン3人の構成を説明します。3人のラインの一番前を走る選手は自力の選手です。読んで字のごとく、自分で動ける選手、要するに先行、捲りを打てる選手です。その自力の選手を先頭に、自力で動かずに差し 追い込みを得意とする選手が2番手、3番手を固めて1つのラインが形成されます。
それじゃあ、自力の選手が花形で2番手3番手の選手はただのコバンザメじゃん・・・って意見もありますが、全然そんなことはありません。自力の選手が後手を踏んでしまっても、余程の事がない限りは2番手3番手の選手は切り換えません。よって最悪7番手は確保されます。またラインが先行した場合、他のラインが捲ってくると、ラインの差し追い込みの選手は捲りの邪魔〈ブロック〉をしたりと、自分の脚の特性を生かしてお互い助け合いながらゴールを目指します。当然差し追い込み型の選手の方が自力の選手に比べて落車の危険があります。


 今レースは中国四国ライン3番車の山岡選手が先行しました。最終バックストレッチ手前から南関東・関東ライン8番車の今川選手が捲り上げるも不発。その上を7番手から5番車微笑選手が捲り上げる様子です。それを中国四国ライン2番手の4番車山田選手が邪魔〈ブロック〉をしてる様子です。2番車殿間選手は内側を警戒してしめています。理由として4番車と同じように外に車を外すと、内側がガラ空きになり、そこの空間を他の選手が狙い突っ込んでくる要素を与えてしまうからです。
 5番車の微笑選手の捲る勢いが凄すぎて、1番車岩鬼選手が千切れ〈離れ〉てしまう様子です。よくあるあるパターンです。と言うのも、捲り上げるタイミングで上りのカント〈1センター〉を乗り越えなければなりません。これが追い込み選手にとってきついんです。1センターを乗り越えれば2コーナーへの下りのカントが利用できるんで、車体に勢いがつきます。このような展開となれば、9番車里中選手や7番車中根選手は、内側を狙い着を拾いに行くしかありません。ただしこの展開でこの時点で上記2選手は一番脚〈体力〉を使ってません。かなり脚力を温存してます。内側さえ空けば、2センターあたりから劇的に伸びる可能性があります。

ライン通りにはならないケースも

勝ち上がり方式なので、必ずしもきちっとしたライン形成されるはずもありません。同じ地区同士の選手が6名そろったり、はたまた同じ地区の選手がいなかったり〈単騎〉
同じ地区の選手が固まったレースにおいては、自力で動ける選手が複数いる場合は、自力選手主体に分かれるケースがあります。要するに同じ地区でもラインが2つ3つできる場合があると言う事です。自力の選手が1人しかいない場合は、他の地区の3番手におさまったり、他の地区の自力選手が単騎の場合、その選手の番手につく場合もあります。また近畿地区と中部地区が近い土地柄でラインを形成したり、中国四国ラインを形成したり・・・。雪国で冬場は練習場所を他県に移動する選手もおります。そこで仲良くなった練習仲間とラインを組んだり・・・ケースバイケースで即興でラインが作られます。そこは事前に情報が入ってくるんで、難しく考える必要はないと思います。

上記出走表を参考に、下記の並びとなります。7番の中根選手は地区としては関東ですが、関東は中根選手以外いません。地区としてライン形成できないため、地域的により近い南関東ラインの3番手に付く選択肢もございましたが、ここは勝負をかけて一番強い微笑選手の番手に挑むことにした例です。中部ラインに割って入るケースです。

競輪レースについて

現行の競輪場にはざっくりと1週500mの走路(以下バンク)、400mバンク、333mバンク、250mバンクの4種類があり、多くの競輪場が採用されている競走路は400mバンクです。そのバンクを約2000mで競います。(タイトルレースだとその限りではありません)250mバンクなら8周。333mバンクなら6周、500mバンクなら4周、400mバンクなら5周で争われます。
かといって、いきなりスタートから一斉にダッシュをして、誰が一番にゴールをするか?と言う様なレースではございません。スタート後、先頭誘導員の後ろに選手が1列に並び、体制を整えます。赤板あたりから先頭誘導員が退避して、各選手が動きを見せます。レースによりますが、残り1週半前後から各選手は全力で走行し、1着ゴールを目指します。

レースの流れ
〈実際のレースはもっと複雑です。わかり易くのレース展開です〉

  • 選手は発送機につく
  • 号砲とともにスタート〈と言っても、一斉にスタートしない ラインの先頭に立つ選手の戦術により、どの位置につけるかが重要なために牽制をする〉
  • 先頭誘導員の後ろに選手が1列棒状で並び周回を重ねる〈この時の車輪の音が凄く心地いいんだよね〉
  • 赤板前より各ラインの先頭に立つ選手が、ラインの2番手3番手の選手を引き連れて動きを見せる〈ただ、赤板以前に先頭誘導員を追い越してしまうと失格になります〉
  • ジャン前あたりから各ラインの先頭に立つ選手がレース組み立てのために、有利な位置を確保する為に動きを活発化させる
  • ジャン過ぎから最終周回のホームストレッチにかけて1列棒状になる。各選手は全力疾走モードです〈観てる側からすると、ここからが迫力ある自転車レースの始まりです〉
  • 1センターから2コーナーにかけて、先手ラインに他のラインが捲り合戦を繰り広げる
  • 2センターから4コーナーにかけて、捲り合戦もしくは先行争いに勝ったラインが先頭に立つ
  • 4コーナー手前よりライン関係なく、お役御免で各選手が1着を目指し最後の力を振り絞り自転車をこぐ〈必死で自転車をこぐことを⌈もがく⌋と言います〉

競輪場について

現在(2023年現在)全国各地に43ヵ所競輪場が存在する。走路の長さも1周250mと短い走路から333,3m、335m、400m、500mと5種類あります。一番スタンダードな走路は400m走路(以下バンク)で、短くなるにつれて先行選手が有利だと言われております。スポコンおやじが現役の頃は250mバンクなんか無かったから、何年か競輪から遠ざかってたものだから知らなかったよ。かえって展開が早いのだろうね。


♦30mライン…ゴール前30m手前に引かれたライン。最終周回まさにゴール手前30mラインに達した後に落車転倒した場合、自転車を携行して(担いでもOK)ゴールしてもゴールが認められる基準線。やたらにこの30mラインからゴールラインまで落車の後でバンクが傷ついてます。
♦25mライン…スタート直後、25mラインまでに達する前に落車転倒があった場合、スタートやり直しになります。
♦上がりタイム…最終周回バックストレッチラインからホームストレッチラインまでかかった秒数を言います。平均時速60キロであれば、400mバンクで上がりタイムが12秒ジャストとなります。
♦イエローライン…基本的にイエローラインの内側を走行することが義務付けられている。先頭を走行している選手がイエローラインの外側を2秒以上走行すると、先頭選手のみ失格となるみたいです。確かにイエローラインの外側を走行するって危険極まりないよね。観客席とバンクを仕切る金網に突っ込む選手もよく見ました。軽傷ではないよね。
♦内圏線と外帯線…この線が結構微妙で、スポコンおやじも現役時代⌈内圏線踏切り⌋で失格となったことがあります。内圏線と外帯線の中を走行している選手を内圏線の内側から追い抜く事は失格となります。また自ら内圏線の内側(退避路)を6秒(最終バックストレッチラインまで)もしくは4秒以上(最終バックストレッチライン以降ゴールまで)走行すると失格となります。

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