「競輪のギヤ倍数(ギヤ比)が競走とレース予想に与える影響とは?」というタイトルのもと、この記事では競輪におけるギヤ倍数の重要性とその影響を詳しく解説します。競輪のギヤ倍数(ギヤ比)は、自転車の走行性能を示す中心的な指標として位置づけられており、選手の戦略やレースの展開に大きな影響を与えています。ギヤ倍数が高ければ高いほど、ペダル一回転あたりの進む距離が長くなり、スピードが増します。しかし一方ではかなりのパワーを要し、その選択には選手の体調やコースの特性、さらには天候など多くの要因が関わってくる。この記事ではこれらの要因を鑑みて、競輪のギヤ倍数とギヤ比が競走やレース予想にどのような影響を与えるのかを深堀りしていきます。
競輪のギヤ倍数(ギヤ比)の基礎知識
競輪のギヤ倍率(ギヤ比)とは?
ギヤ倍率(ギヤ比)は、自転車の走行性能を示す(特にスピード)中心的な指標として位置づけられています。この指標は、ペダルを一回転させることでタイヤが進む具体的な距離を数値化したものです。例えば、ギヤ倍率が「4.0」の場合、ペダルを一回転させるとタイヤは4.0メートル進むことを意味します。
当然、ギヤ倍数(ギヤ比)が高ければ高いほど1回転あたりの進む距離が長くなり、スピードが増すと言う事です。あくまで持論ですが、年齢が高い選手ほど、ギヤ倍数(ギヤ比)が低いですよね。それは加齢によるダッシュ力(瞬発力)の低下によるものかな?って・・・勝手な推測ですがね。
あっ・・・ここで、ギヤ倍数の求め方をお伝えします。
ペダルと連動してる大きいほうのギヤの枚数から車輪についている小さいギヤを割った数値がギヤ倍数です。
大きいギヤ | 小さきギヤ |
大きいギヤの歯の枚数(52)÷小さいギヤの歯の枚数(13)=4.00
となります。
現在の競輪におけるギヤ倍数(ギア比)の平均は?
現在、競輪のレースに使用されるギヤ倍数(ギヤ比)は「3.92」もしくは「3.93」が主流ですね。しかし、これはあくま主流で、具体的なギア比の選択はレースの作戦や選手の体調、年齢やバンクコンディション(天候等)により、当日変更される場合もありありです。
ヒト昔前のギヤ倍数(ギヤ比)は?
スポコンおやじが現役の頃「3.57」が主流だったな~。それが現在の主流は「3.92」もしく「3.93」。これにより劇的に競輪のスタイルが変わってしまいましたね。具体的にはスピードと先行選手のもがく距離。
あくまでも感覚的なモノですが、上りタイム(最終バックストレッチからゴールまでの200mのラップタイム)が平均して0.5秒くらい上がってるかもですね。
これもあくまで感覚的なモノですが、先行選手のもがく距離が長くなっていると思います。距離的なモノもそうですがスタイルとして、S(号砲と同時にダッシュして先頭に立つこと)を取ってそのまま突っ張り先行。そういう競走が多く見受けられるね。
当時はそのようなスタイルはあまり無かったかな!後ろ攻めで赤板過ぎからおさえて先行みたいな。よって先行する選手が号砲と当時に発送機から出るっていう発想(失笑)がなかっな~。
なぜギア倍数(ギア比)が制限されたんだろう?
現在の競輪レースにおけるギヤ倍数は、男子が「4.00」女子が「3.80」未満と定められてます。
女性でも「3.80」っていうのがビックリなんだけどね。
競輪レースって書いたのは国内の競輪のレースに限ってって事で、国際的に行われるワールドカップとかオリンピックとかは、これとは別物だからね。大ギヤ踏みまくってるんじゃないかな。
競輪のギア倍数(ギア比)に制限が設けられた背景には、選手の健康リスク管理と公平な競技環境の確保が挙げられると思います。
具体的には、ギア倍数が4.0以上だとペダルのへ負荷が極端に増大し、選手の筋肉や関節に過度な負担がかかることがあげられると思う。この結果、怪我のリスクや特に膝や腰への負担によるひざ痛、腰痛(スポコンおやじは腰痛で悩まされている)と一生付き合う羽目に。。。一説には自転車のペダル自体にもかなり負荷がかかり、金属疲労を起こし最悪ペダルが取れてしまうみたいな事も。
もう一つ具体的な事として競技環境の確保、要はレースの公平性だよね。できるだけ同じ環境下(ギヤ倍数)で競走させたいんじゃないかな。
よくやり玉に上がるのが福島県の現役(2023年10月時点)の競輪選手で山崎芳仁選手だね。前記した通り、当時のギヤ倍数(ギヤ比)は「3.57」だったんだけど、山崎選手は一人だけ「4.00」以上の大ギヤを踏んでいて、それでもって当時の競輪界を席巻してしまうんだよね。それを見た他の選手が「俺も俺も」ってなって、それで歯止めが利かなくなってしまったのだろうね。
俺は別に山崎選手自体は悪いとは思わず、むしろ自分の長所を引き立てるための知恵だった訳だからプロとして当然で凄く肯定的にとらえているんだけど、一方人間ってそれを超えるモノを追い求めるからね。特に選手は向上心が半端ないから、どこかで歯止めをかける必要があったんだろうね。
ギア倍数(ギア比)を上げる事の競走への考えられる影響とは?
ギヤ倍数(ギヤ比)が上がった事で競走へどのような影響があるのか?
- ダッシュ時にかなり脚力を使う
- スピードに載せたはいいが、一旦スピードが落ち始めると、2度踏みはかない厳しい
- 追い込み選手が先行選手に付き切るのが昔よりは難しくなってないか?
- スピードが落ちてからコーナーを踏み切るのは苦しいのではないかな?
当然ですが、ギヤ倍数(ギヤ比)が上がるってことは、踏み出しが重いって事ですよね。競輪もパワーの時代になったのかな?先ずはパワーがないと踏みこなせないから、特に自力選手は線が細いと厳しいかな。
一旦スピードが落ちてしまうと、2度踏みや3度踏みは厳しいのではないかな?これも自力選手で特に先行選手に言えることだけど、垂れてしまえばとことん垂れる選手もいるんじゃないかな。これをよく「黄金の垂れ」(焼肉の「黄金のたれ」にちなんで)って言ったものですね。しょーもなっ!
追い込み選手も自分が目標とする自力選手がダッシュ型の選手だと、自身もかなりダッシュ力がないと付き切るのが難しかったりするんじゃないですかね。あと目標とする選手が先行したとして、踏んだり流したり絶妙なペースで先行された日にゃ・・・足が酔っぱらってしまうよね。
あと、最終バックの直線、3コーナーから2センターに差し当たる所は上り坂だから、疲労した脚にはかなりきついと思います。コーナーを上りきったらあとは下りなので伸びる要素はありますが、よく先行選手でコーナーに弱い選手がいるのよ。それはペース配分ができない選手なんだけど、ギヤ倍数(ギヤ比)が上がったことで、これが顕著になるかもね。
競輪のギヤ倍数(ギヤ比)を活用した予想術
競輪のギア倍数(ギヤ比)を見てのレース予想のポイントとは?
競輪のレース予想において、ギヤ倍数(ギヤ比)はそれほど大きな影響を与えないんじゃないかなって思います。ただレースを予想する上でギヤ倍数(ギヤ比)がレースに与える、知っておいて損はないと思う点を下記にまとめました。
- 選手のコンディション
- 天候
- レース上での作戦
選手のコンディションに関して説明します。選手はレース当日もしくは前日検査日にレースを行うバンクにて軽く練習を行います。そのバンクで練習中に「ん・・・足が重いな」とか「疲れが残っているな」って感じることがあるんだよね。そうなるとギヤ倍数(ギヤ比)を下げることも選択肢としてあり得ます。それを予想する側からするとどう思うか?参考にしてください。
天候とは、特に風の影響が大きいですかね。抑え先行を得意とする選手なら最終バックストレッチ側が向かい風だと嫌だし、ダッシュ型のカマシ先行を得意とする選手ならホームストレッチ側が向かい風だと嫌だし・・・。そういったところでメンタル的にギヤ倍数(ギヤ比)を下げることも選択肢としてあり得ます。そのメンタル的な部分を予測する側からするとどう思うか?参考にしてください。
レース上での作戦とは?それは追込み屋さんによくあるケースだけど、自身が目標としてる前の自力選手が超ダッシュ型とか、捲りの踏み出しがえげつない選手とか、そういう選手の後ろに付く場合は、踏み遅れないようにギヤ倍数(ギヤ比)を下げることも選択肢としてあり得ます。ギヤ比を落としてまでダッシュに付いて行きたいってことは、ゴール前抜けなくてもとりあえず付いて行きたいって事だと思いませんか?参考にしてください!
選手の過去のギヤ選択の履歴を参考にすることで、その選手の体調やメンタル的な部分も含めての調子を知るバロメーターになり得ます。これにより、レースの展開や選手の位置取り、最終的な順位をより正確に予想することが可能となるんじゃないですかね。
競輪のギヤ倍数(ギヤ比)が競走とレース予想に与える影響とは?についてのまとめ
- ギヤ倍数(ギヤ比)は自転車の走行性能を示す中心的な指標
- ギヤ倍数はペダルを一回転させることでタイヤが進む距離を数値化したもの
- ギヤ倍数が高ければ高いほど1回転あたりの進む距離が長く、スピードが増す
- ギヤ倍数の求め方は、大きいギヤの枚数から小さいギヤを割った数値
- 現在の競輪の主流のギヤ倍数は「3.92」もしくは「3.93」
- ギヤ倍数が4.0以上だとペダルの負荷が増大し、筋肉や関節に過度な負担がかかる
- ギヤ倍数の制限の背景には、選手の健康リスク管理と公平な競技環境の確保がある
- 天候、特に風の影響がギヤ倍数の選択に大きく影響する
- 選手の過去のギヤ選択の履歴は、その選手の体調やメンタル的な部分の調子のバロメーターになる
- ギヤ倍数を活用した予想術では、選手のコンディション、天候、レース上の作戦などが考慮される
- ギヤ倍数の変更は、レースの戦略やコースの特性に応じて選択される